およそ五百年にわたる植林の歴史

天竜の林業の歴史は古く約500年前の室町時代、秋葉山本宮秋葉神社の境内にスギの苗木を植えたという記録が残っています。江戸時代中期になると天竜川の水運を使い江戸へ大量の天竜材を運び、江戸城の御用材、諸大名屋敷などに使われました。さらに明治になると、暴れ天竜の名で恐れられる天竜川を治めるために、実業家の金原明善が私財を投じて植林を行います。はげ山だった天竜の山に、スギ249万本、ヒノキ49万本を人力で1本1本植える気の遠くなるような事業。あれからおよそ130年、私たちはその豊かな森林資源を守り育てています。

金原明善翁

日本三大人工美林

天竜の森から運び出される木材は、江戸時代、そして第二次世界大戦後の復興期には国内の住宅需要に応え、木材産地として名を馳せることとなりました。スギ・ヒノキを中心とした美しい人工林(人が植林して造り上げた森林)が形成された天竜の森はその美しさから「天竜美林」とも呼ばれ、奈良県吉野、三重県尾鷲と並び日本三大人工美林と呼ばれています。林業地だからこその美しい森、それは林業従事者としての私たちの誇りです。

FSC®️森林認証を取得

先人たちの山づくりにかけるたゆまぬ努力と思いが脈々と受け継がれた天竜の森は、2010年には持続可能な森林経営を証明する、国際認証であるFSC®️(FM)認証を取得しました。その認証林の面積は、市町村別では日本一(2020年現在)の面積を有しています。天竜の豊かな森を代々に受け継いでいく。その思いと行動は、国連が定める持続可能な開発目標SDGsの理念と合致し、目標15「陸の豊かさも守ろう」などの実現に寄与しています。(浜松市はSDGs未来都市に認定されています)